性別 男性
イニシャル Y.S.さん
引きこもりになった時の年齢 26歳
引きこもりを脱した時の年齢 28歳
引きこもりしていた期間 2年

私が26歳から28歳までの約2年間、自宅に引きこもっていたときの話を今からします。引きこもりになったばかりのころは引きこもっているという自覚もありませんでした。

家にいて、ただただ時間だけが過ぎていく毎日。曜日の感覚も季節の感覚もあまりありませんでした。何がきっかけで引きこもりになり、そんな日々の中で何を感じ、どう脱していったかを話します。

引きこもりになる前は何をしていた?

私は26歳のとき登録制のコンサートスタッフのアルバイトをしていました。拘束時間が長いため、1日で1万円以上稼ぐことも多々ありました。

スタッフの中には20歳前後の大学生も数多くいて、26歳の私には居心地が悪い状況でしたが、稼げるので我慢していました。アルバイトは大きい会場だと30人~50人必要となるため、その中で特定の誰かと仲良くなって、私の年齢を聞いてくることもないだろうと安心していました。

しかし、アルバイトを始めて半年以上たつと、よく会場が一緒になる大学生が何人かいました。そして、徐々に話をするようになり、恐れていた事態が起きたのです。

引きこもりになったきっかけは何なのか?

ある日、とうとうアルバイト終わりにその中の大学生の一人が私の年齢を聞いてきました。私が幼い雰囲気だったこともあり、あまり年上だと思っていない様子でした。

その年齢を聞いてきた子が19歳だったことと、あまりにも年上で驚かれるのが嫌だったこともあり、私はとっさに23歳と嘘をついてしまいました。

何人かバイトリーダーがいて、現場を仕切っているのですが、そのバイトリーダーたちは年齢の書かれたスタッフ名簿を持っていて、私の年齢も把握しているようでした。

どこかから嘘がばれるのも時間の問題だと思い、その日でアルバイトを辞めました。そして引きこもり生活が始まったのです。

引きこもり始めたときどんな心境だった?

アルバイトをやめた私は無気力になり、26歳でアルバイトを始めて自分が最年長になるのも嫌だったので、家でだらだらするようになりました。

どうせ既卒者にはろくな仕事もないだろうと、定職につく気持ちにもなりませんでした。年齢の嘘がばれる気まずさで辞めましたが、力仕事も多く、稼げる反面、大変だったので後悔はありませんでした。

バイトリーダーに年齢を知られていたのも嫌でしたが、私の年齢について触れないようにしてくれていたので我慢できました。引きこもり始めたときは年齢をとても気にしていたのです。

26歳にもなって定職についていない恥ずかしさが強かったのです。就職活動をしていた時期もありましたが、うまくいきませんでした。

しかし、ニートになり、家で引きこもるようになると、誰にも会わないぶん、誰かに年齢を聞かれる心配もないので、妙な安心感がありました。

引きこもって具体的に何をしていた?

こうして始まった私の引きこもり生活ですが、毎日、家でアニメを観て、通販サイトで服を見て、週に1回1万円程度買っていました。

引きこもりで外に出ることなどないのに、服が好きだったので買っていました。雑誌を読むのも好きで、通販で買って読んでいました。

アルバイトで稼いだお金で支払っていたので、親に文句を言われることもありませんでした。家にいて誰にも会わないと将来に対して不安な気持ちにもなりませんでした。

引きこもっているときの親の反応は?友達はいた?

家でアニメを観て、服を買って、雑誌を読む。こんな生活が続き、あっという間に27歳になりました。アルバイトで稼いだお金もなくなり、週に1回、親に1万円をもらって服や雑誌を買っていました。

携帯代も親に支払ってもらっていました。親はたまに「バイトでもしたら?」という程度で、私の自由にさせてくれました。わりと裕福だったことも関係していたかもしれません。

大学時代の友達はみんな社会人なのでニートの自分が連絡しにくくなり、疎遠になっていきました。他人との関わりは、親とたまにニュースについて語るくらいでした。

どうやって引きこもりを脱していった?

27歳になって半年くらい経ったころから、服が増えるのに着ないのはもったいないと思い、全身のコーディネートを考えて、家の近所でスマートフォンのセルフタイマーで全身を撮影するようになりました。

そうやって服装の記録を始めました。そしてツイッターに登録して、そこに撮影した服装の写真を載せるようになりました。ツイッターでは年齢と引きこもりであることは隠していました。

ツイッターで服装を載せているうちに、私のコーディネートがおしゃれであるとコメントを送ってくれる1人の女性が現れました。そしてその女性とツイッター上で話をするようになりました。

すると、その女性の何人かの友達とも次第にツイッター上で仲良くなりました。SNSとはいえ、他人と話すことで気持ちが明るくなりました。

服装がその何人かの友達にも褒められて自分に自信もついてきました。ツイッターでは仕事をしていると嘘をついていました。自信のついた私は、親にもらったお金で買い物に出かけるようになりました。

そのとき28歳です。そこから、親にもらったお金で音楽のライブやファッションショーを観に出かけるようになり、いつしか引きこもりではなくなりました。

引きこもりをやめてどう変わっていった?

外によく出かけるようになって、遊んでいるうちに29歳になりました。父親が会社を定年して、お金がなくなっていきました。両親から「頼むから、働いて自分で少しでもいいから稼いでくれ」と頼まれるようになりました。

経済的問題に加えてツイッター上で話をしている人たちにずっと働いていると嘘をつくのもやめにしたいという気持ちもあり、在宅ワークをインターネットで調べて始めるようになりました。

仕事をすると、充実感がわいて在宅の仕事の数も増やしていきました。そして今、正社員になろうと、父親やハローワークで相談をしているところです。

引きこもり生活を振り返る!現在の心境は?

引きこもりだったころは年齢を気にしすぎて他人とのコミュニケーションを避けていた気がします。それが引きこもりを長引かせた原因だと思います。

20代の失敗なんて大したことはないと今なら思えます。現実に友達がいないなら、ツイッターなどSNS上でもいいと思います。誰かととにかく会話をしていくことが大切です。

SNS上なら年齢や職業は秘密にできますし。ツイッター上で会話していく中で、「この人たちに堂々と自分が仕事をしていると言いたい。」という気持ちが私は芽生えてきました。

1人ぼっちで過ごす生活をして、他人との関わりの大切さを学びました。他人との関わりの中で人は変化できる、気持ちが変わっていくと思います。引きこもりの人間なんて相手にされないというネガティブな気持ちを早く捨てて、勇気を出して何らかの方法で人と関わることが引きこもりを抜け出す方法だと私は思います。