内閣府の調査によると、引きこもりは全国で約70万人にのぼります。

長期化する例も多く報告されており、40代、50代の引きこもりは、両親の高齢化等によりますます追い詰められている状況にあります。適切な引きこもり支援策を講じ、実践しないことには解決しない問題です。どのように支援すれば良いのか、まとめました。


支援する前に!これだけはやってはいけません!

最近テレビ番組等で、引きこもり当事者の家に訪れて、半ば無理矢理施設に連れて行く団体が紹介されています。しかしこれはやってはいけないことです。仮に一時的に良くなったように見えても、その時の恐怖や怒りを忘れることはなく、そのような団体に頼んでしまった支援者を恨むことになります。また引きこもり当事者が何らかの精神疾患を抱えている場合、このことによって悪化することがあります。

引きこもり支援に特効薬はありません。当人の意志を尊重し、寄り添って支援することが求められています。

ステップ1支援ってどこから始めたら良いの?まずは知ることから!

引きこもり支援の最初は、まず引きこもり一般について良く知ることからです。

そもそも引きこもりって?

誰とも会いたくないな~、何もする気が起きないな~。何か嫌なことがあった時、そんな気持ちは誰でも感じます。しかし、たとえそんな気持ちになったとしても、普通は徐々に回復していきます。では、その状態から抜け出せずに、どのような状態がどのくらい続いたら「引きこもり」になるのでしょうか?

厚生労働省研究班による「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、引きこもりを以下のように定義しています。

「様々な要因の結果として社会的参加を回避し,原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念である。」

引きこもるきっかけ

どんなことがきっかけで引きこもってしまうのでしょうか。内閣府が発表した「平成26年版子ども・若者白書」を見てみます。

  • 職場になじめなかった23.7%
  • 病気23.7%
  • 就職活動がうまくいかなかった20.3%
  • 不登校(小学校・中学校・高校)11.9%
  • 人間関係がうまくいかなかった11.9%
  • 大学になじめなかった6.8%
  • 受験に失敗した(高校・大学)1.7%
  • 妊娠した0%
  • その他25.4%
  • 無回答3.4%

就労に関すること、そして「なじめない」「人間関係がうまくいなかい」等、対人関係での挫折がきっかけとなって引きこもってしまうことが多いです。

ステップ2どこがゴール?自立とは何かを知る

当人や親が望むことは、自立することです。しかし、自立とはどういうことでしょうか。

「自立」には3種類ある

普通、自立と言えば「経済的自立」を指します。働いてお金を稼ぐことですね。しかし、自立にはもう2つの種類があります。それは、「日常生活自立」「社会的自立」です。

長期にわたって人間関係を避けている方が、いきなり経済的自立を目指すのは無謀です。焦って働いてしまうと挫折してしまう可能性が高く、「やっぱりダメだった」と傷を深めて再びひきこもることになります。

まずは当人にふさわしい自立から

まずは引きこもり当人が今、どういう状況にあるのかを把握することが先決です。引きこもりには昼夜逆転等、生活が乱れている場合が多いです。そうであればまずは規則正しい生活ができるよう、つまり日常生活自立を考えます。比較的日常生活が安定しているなら、まずは当事者グループ等での社会的自立を考えます。

ステップ3家族だけでは解決できません!抱え込まないで!

そうは言っても、家族だけで自立を促していくのは限界があります。そして、家族だけで問題を抱え込むことは大変危険です。思いつめた末に、親が引きこもりの子どもを殺めてしまう事件も起きています。家族だけで解決困難と感じたら、適切な機関とつながりましょう。

適切な機関ってどこ?

厚生労働省では、従来から引きこもりを含む相談等の取組を行っています。平成21年度からは、「ひきこもり対策推進事業」を創設し、ひきこもり対策の一層の充実に取り組んでいます。

この取り組みのひとつに「ひきこもり地域支援センター設置運営事業」があります。沖縄県を除く46都道府県(平成28年10月からは沖縄県にも設置されます)と、政令指定都市等の指定都市にセンターが設置されており、当人や家族からの相談等の支援を行っています。センターには、社会福祉士や精神保健福祉士といった専門家が「ひきこもり支援コーディネーター」として活動しています。

センターは総合案内所!

センターは、学校、医療機関、福祉施設、地域若者サポートステーション等と連携しており、個々にあった支援を考えてくれるところです。

ステップ4継続は力なり!支援を続けられる体制を!

つながりを断たないことが大切!

せっかく外とつながっても、継続できないと意味がありません。ひきこもり支援には根気がいります。家族だけで重い課題を抱ようとしないことです。つながりを保ち続けること何よりも大切です。そして、支援者自身の心が折れてしまわないよう、支援者自身が自分の人生を大いに楽しむことも大事なことです。

まとめ

いかがでしょうか。引きこもり支援は、まず当人の状況を適切に把握するところからです。そして、家族だけで解決しようとせず、適切な機関とつながることが必要です。更に、そのつながりを決して断たないようにし、支援者自身も自分の人生を楽しむ余裕が必要なのです。