性別 女性
イニシャル A.I.さん
引きこもりになった時の年齢 16歳
引きこもりを脱した時の年齢 19歳
引きこもりしていた期間 3年

引きこもりという言葉を聞いてどう感じますか。

普段元気に学校に行ったり、働いていたりする方にとっては「自分には関係ないこと」と感じる人が大半ではないでしょうか。

実は私も自分が実際引きこもりとなりまでそう考えていました。

それどころか「引きこもりになる人は心が弱い人だ」と見下してすらいました。

そんな私がなぜ引きこもりになってしまったのでしょうか?以下は私の引きこもり体験です。

健康優良児から一転、病気になり入院

小さい頃から私は活発で、運動がとても得意でした。1年を通してほとんど風邪をひくこともなく、周囲からは健康で活発な子だと思われていました。

しかしそんな私が高校のとき、突然ある病気にかかってしまったのです。幸い、命にかかわるような病気ではなかったのですが1か月ほどの入院を余儀なくされました。

ちょうど夏休みだったため、学業に影響はなかったのですが、一方で病気により当時夢中になっていた部活を続けることができなくなってしまいました。当時の私にとって部活はすべてでした。

ですが、突然それを奪われ、一気に何かが崩れていってしまったのです。

経過が悪く、高校中退

予定通り病院から退院し、復学することができたのですが、病気の経過はよくありませんでした。具合は悪くなったり、良くなったりの繰り返しでした。

しかし、部活を続けられなくなってしまった私はもはや学校に通う意味がわからなくなってしまい、学校から足が遠のきました。最終的には完全に不登校になり、そして家からもほとんどでなくなって引きこもり状態へ。

結局、親や姉妹、友人などからは一生懸命止められたのにも関わらず高校を中退してしまいました。

人が自分の悪口を言っていると思い込む

病気および精神的な気落ちで自慢だった健康な体は一気に弱ってしまいました。

それでもとりあえず体と家に引きこもる生活を何とかしたかったので、毎日散歩をすることにしました。しかし、今考えるとかなり恐ろしい精神状態なのですが、外を歩いているとすれ違う人が皆「あいつ、学校中退したんだよ」とか「気持ち悪い顔しているよね」などと言っている風に聞こえたのです。

当時の私はそれをそのまま受け止めてしまい、「皆が自分を馬鹿にしている」と思い込んでまた家から出られなくなってしまいました。

引きこもり時代の生活

引きこもり時代の生活は酷いものでした。

朝、家族に会うのが気まずいため、皆仕事や学校に行った後の昼頃から起きて、ゲームかインターネットをします。ゲームやネットをするのは完全に現実逃避をするためでした。

ゲームやパソコンのスイッチを切ると、とたんに現実と将来への不安が襲ってきて気持ちが不安定になるからです。ゲームやネットをして、疲れたら寝る。寝ているとき、眠りに入る瞬間が当時一番幸せでした。

夜はまた家族と顔を合せないように家族が寝静まった後に行動をはじめ、朝方までずっとまたゲームかネットでした。夜は真っ暗で不安感が特に強くなり、眠るのが怖かったからです。朝、朝日が窓からのぞくとホッとして布団に横になりました。

転機。目標が見つかり、引きこもりを脱するために勉強をはじめる

高校中退から2年ほど、精神科に通ったり、フリースクールのようなところを親に探してもらったりしましたが引きこもりは続いたままでした。

何もかももう終わりだ、と当時の私は思っていました。しかし転機は、親の「大学に行ってみないか」という言葉でした。高校を中退したので私は当時中卒です。

そのことで私は相当な負い目と将来への不安を抱いていました。でも大検をとって大学に行けば自分の中の負い目がなくなる。もう一度スタートラインに立てるかもしれない。私は急に目が覚めたようになって、大学に行く決意をしました。そこでもう一度やりなおすために、勉強をはじめました。

引きこもりの経験をして思うこと

私は自分が引きこもりになるまで、「絶対自分は引きこもりになんかならないような人間だ」と根拠もなく思い込んでいました。

そんな私が見事に引きこもりになり、自分も、そして何より家族がとても辛い思いをしました。正直今でも引きこもり時代のことを思い出すと気分が落ち込み、どうにかならなかったのか、という思いでいっぱいになります。

でも1つだけ、良かったと思うのが「引きこもりになる人は心が弱い人だ」という偏見に満ちた思い込みを改めることができたことです。今苦しんでいる方に私ができることは、偏見をなくすことだと思っています。

微々たるものですが地道にそんな活動をしていければと思っています。