以前は、若者や子どもを中心とした現象であると認識されやすかった「引きこもり」ですが、40~50歳代、中高年層の所謂「働き盛り」とされる年齢の引きこもりも、年々増加の一途をたどっています。

中高年層の「引きこもり」は、若者よりさらに深刻な状況に陥りやすいです。若者の「引きこもり」と「大人の引きこもり」は、根本的な問題が異なるからです。また、そのほかの問題点にも、若者の「引きこもり」とは明確な差が出てきます。

そんな「大人の引きこもり」について、背景や原因、問題点を解説していきます。

急増する「大人の引きこもり」とは?40~50代が増加!

以前は10代~30代の、所謂「若者」と呼ばれる年齢層がほとんどであると言われた「引きこもり」ですが、近年では40~50代の「大人」たちの「引きこもり」が急増しており、年々増加しています。この「働き盛り」の人々の「引きこもり」は、今まで一般的にイメージされてきた「引きこもり」とは、少し異なる面を有しています。

「大人の引きこもり」の問題点は?「若者の引きこもり」とは全く違う!

「大人の引きこもり」には、「若者の引きこもり」とは違う問題が生じます。主に「大人の引きこもり」特有の問題点は主に4つあり、具体的には下記のものがあげられます。

    <「大人の引きこもり」の問題点>

  • 親の年齢
  • 「引きこもり」の原因と背景
  • 「引きこもり」になる人の性格
  • 支援の少なさ

「金銭面」が大きな障害に?「大人の引きこもり」は「親の年齢」も問題!

「大人の引きこもり」には、親が大きく関係します。特に年齢は最も重要な要素の1つです。どのように重要なのかを解説します。

「親の年齢」は「大人の引きこもり」に大きな影響を与える!

40~50代の「大人の引きこもり」の第一の問題点として挙げられるのは、「親の年齢」です。「若者の引きこもり」の場合は、親がまだ働き盛りの場合も多く、「引きこもり」になってしまった子どもを金銭面で援助する様子も見られますが、「大人の引きこもり」になると、その様子も少し違うものとなってきます。

主に「金銭面」に問題が出る!

「大人の引きこもり」の場合に問題となるのが「金銭面」です。働き盛りの親を持つ「若者の引きこもり」とは異なり、40~50代の「大人の引きこもり」の場合、親は既に定年退職しており、年金暮らしをしているパターンが多くみられます。

よって、「引きこもり」をしている子どもは金銭面で親に頼ることが難しくなり、将来的に金銭面が苦しくなる部分が出てきます。

「大人の引きこもり」の原因と背景は?「傷」がキーワード!

「大人の引きこもり」について、原因と背景について解説します。

「大人の引きこもり」になりやすいパターンは?

「大人の引きこもり」になりやすいパターンは、「会社によって傷つけられる」ことです。会社と何かしらの軋轢が生じた場合に傷ついた、もしくは傷つけられた人が会社を退職し、そのまま社会復帰が出来ず「引きこもり」になってしまう、というものが、「大人の引きこもり」によく見られるパターンです。

「大人の引きこもり」のきっかけで多いのは?

「大人の引きこもり」のきっかけとなりやすいのが、「上司との関係」です。上司との関係がこじれてしまった際、「プライドを傷つけられた」と感じ、上司や会社、社会を恨むようになります。その結果、社会や会社という存在に対して不安を抱くようになり、自分の中へ閉じこもってしまいます。

「大人の引きこもり」を選びやすい人の性格は?「完璧主義者」が多い!

「大人の引きこもり」を選びやすい人は、性格に特徴があります。特徴とあわせ、なぜそれが「大人の引きこもり」と関係するのかを解説します。

「大人の引きこもり」を選ぶ人は、プライドが高く完璧主義者の傾向が強い!

「大人の引きこもり」になりやすい人の特徴として挙げられるのが、プライドが高く完璧主義者であることです。正義感があるゆえに上司や会社と衝突しやすく、自分の意見に対してプライドを持っています。そのプライドを否定されることによって傷つき、完璧主義者ゆえに「こんなはずではなかった」と悲観しやすい人が、「大人の引きこもり」を選びやすい傾向にあります。

「完璧主義」になりすぎると、物事と上手く折り合いがつけられない!

「完璧」を志すことは一社会人としては非常に立派なことではあるものの、自分の理想を追求しすぎることで、衝突した出来事に対して折り合いをつけるということが非常に難しくなります。その「折り合いをつけられない」ということも、本人に対しては強いストレスとなり得るため、そこから逃れたいという気持ちで「引きこもり」を選ぶケースも存在します。

「大人の引きこもり」は社会復帰が難しい?「支援」が少ない!

「大人の引きこもり」で社会復帰が難しい理由として、「支援の少なさ」があります。その理由を解説します。

「大人の引きこもり」の社会復帰が難しい理由は?

「大人の引きこもり」は、本人に社会復帰の意思があったとしても、雇用の年齢などの理由により社会復帰が難しいという問題があります。企業側は若い人材を求める傾向が強く、40~50代になって再就職の雇用を結ぶことは難しいのが現代社会の現状です。

よって、なかなか社会復帰がかなわず、自室あるいは自宅に閉じこもる日々が続いてしまうというのも「大人の引きこもり」にはよく見られるパターンです。

「支援施設」の対象も「若者向け」が多い!

「引きこもり」の人々の社会復帰を支援する施設および団体は複数ありますが、そのほとんどが20~30代の「若者」を対象としています。そのため、いざ相談に行ったとしても「年齢が対象外だ」という理由で断られてしまうケースが多いです。

「大人の引きこもり」の問題点を解消するには?「寄り添うこと」が重要!

近年増加傾向にある、40~50代の「大人」の「引きこもり」について、4つの問題点を中心に解説しました。「大人の引きこもり」は、「若者の引きこもり」とは背景やきっかけが異なる部分が多く見られます。

まず1つ目は、上司や会社といった社会との軋轢や、長期間社会に貢献してきたことによる正義感やプライドの高さが仇になってしまった結果「引きこもり」を選択するパターンです。

2つ目は、一度「引きこもり」を選択した後に社会復帰を目指そうとしたものの、年齢による再雇用の厳しさや支援の少なさに「引きこもり」を継続せざるを得ない状況に追い込まれるパターンです。

このように、「若者」よりも立ち直ることができる状況が整えられていないのが現状です。これを少しでも緩和するのに重要なのは、社会に対する不安や過去への恨みに寄り添う存在を作るということです。1人でもサポートやアドバイスをしてくれる人を周囲に作ることで、「引きこもり」の本人の心の荷物も軽くなります。